国内9地域目
地元推進協、長期滞在の観光に期待
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は4月17日、静岡県の伊豆半島(15市町村)を世界ジオパークに認定した。国内では9地域目。世界での認定は38カ国、140地域となった。
世界ジオパークは、国際的にその価値を認められた地質遺産を有する地域が、保護、教育、持続可能な開発の三つの理念のもとで、地域運営をしていくプログラム。国内では、伊豆半島のほか、洞爺湖有珠山(北海道)、アポイ岳(同)、糸魚川(新潟)、隠岐(島根)、山陰海岸(鳥取、兵庫、京都)、室戸(高知)、島原半島(長崎)、阿蘇(熊本)が認定されている。
伊豆半島は、静岡県の東部に位置。本州で唯一、フィリピン海プレートの上に載っている伊豆半島は、かつては南洋にあった火山島や海底火山の集まりで、プレートの北上に伴い火山活動を繰り返しながら本州に衝突し誕生した。堂ヶ島や丹那断層、三ツ石岬、城ケ島海岸や大室山などが主な見どころだ。
世界ジオパークの認定にあたり、伊豆半島ジオパーク推進協議会は4月20日、東京都千代田区の都道府県会館で説明会を実施。伊豆半島ジオパークの特徴や見所を紹介した。
同協議会の高橋誠事務局長補佐は「日本は火山が多いが、伊豆半島は小笠原方面から続く火山列と日本列島の火山列の会合点にあり、活動的な火山列同士がぶつかっている場所というのは世界唯一。それゆえに、さまざまな火山や地殻変動の痕跡と景観を見ることができる。美しい景観を活用したアクティビティや食、ガイドウォーキングなどを組み合わせて、長期滞在などで楽しんでほしい」と来訪を呼び掛けた。
世界ジオパークとしての伊豆半島は、静岡県とJRグループが2019年4~6月に開催を予定している大型観光キャンペーン「静岡デスティネーションキャンペーン」の新たな観光資源としても活用される。